ゲイアプリはずっと欲しかった呪文
ゲイが書くブログらしく、ゲイに関する話もしていきたい。
ゲイはなかなか普段の生活で、同じゲイの人と出会う機会がない。当たり前だ、外見と雰囲気だけでゲイだとわかる人なんて世間の認識程多くない。みんながみんなテレビに出ている方々のような面白おかしいキャラクターを持ち合わせている訳ではなく、むしろ大多数はそこら辺にいる普通の人だ。
ぼくはしがないサラリーマンだけど、職場の人にほぼ間違いなくゲイだとバレない自信がある。バレないどころかあまりに普通過ぎて、逆に全然面白くない。いつかバレた時のために、オネエ言葉の一つや二つでも習得しておかないとみんなの期待に応えられないのではないかと、世界で一番不必要な心配までしている。
ぼくが中学生・高校生の頃、自分がゲイであることに悩み、誰かに打ち明けて相談したかった。だからどうにかして周りにいるはずのゲイを発見できる方法がないかとずっと悩んでいた。いや、悩んでいたというより妄想していた。自分の目にだけ他のゲイがキラキラと光って見えないかなと思っていた。
なんでそんな突飛な妄想が出てくるかというと、当時遊んでいたゲームの影響だ。ドラクエ3に出てくるレミラーマという呪文は、唱えると隠れているアイテムがキラリと光る魔法なのだ。
完全に中二病の類と思われるかもしれないが、安心して欲しい。ぼくは今でも能力に目覚めて空中から剣を出せるようになった場合や、異世界転生をした際のイメージトレーニングに余念が無い。いや、違うんです。やめてください。病院だけは勘弁してください。
冗談みたいな話だが、ぼくはこの妄想を実際にゲイに出会う方法を知るまで、10年余りの間何度も何度もしていた。それほど自分以外のゲイに会ってみたかった。
なんで会ってもいないのに周りにゲイがいると思っていたのか疑問に思うかもしれないが、ぼくには絶対にいるという確信があった。
当時一応はネットに触れられる環境にあったので人口に対するゲイの割合も知識として知っていた。当時自分が読んだ記事によるとゲイの数は5%。20人に1人の割合だ。40人男がいれば自分以外にもう1人はいてもおかしくない計算になる。
周りにいるはずなのに見えない。どうやったら分かるようになるんだろう。まさか1人1人に聞いてまわる訳にもいかない。当然、自分はゲイだと名乗り出る勇気もない。堂々巡りの結果、ぼくの妄想力だけがメキメキと、たくましく成長していった。
今ぼくはゲイの知り合いがたくさんできた。
色々な出会い方があったが、一番簡単に会える方法はゲイアプリだろう。ゲイアプリとは簡単に言うと出会系やマッチングアプリみたいなツールだ。
出会系と聞くといかがわしく、うさんくさい印象を受けるかもしれないが、出会いの場が著しく制限されるゲイにとっては、王道の出会いの場だ。まともな人がいっぱいいる。もちろん変な人もいっぱいいるけど。
そんな、今では当たり前に普及しているゲイアプリも、当時のぼくからしたらずっと欲しかった魔法のツールだ。人がキラリと光る訳じゃないけれど、近くにいるゲイが簡単にわかる。メッセージも送れて連絡も取れるし、約束すれば実際に会える。
男女の出会いだって、アプリを通して出会うのが普通の時代だ。世の流行だと言われればそれで終わってしまう話だけど、ぼくは今でもふとした瞬間に、こんな魔法みたいなツールがあることを、たまらなくありがたいなと思う。
これは先日作ったアクアパッツァ。
同じく先日購入した料理本を見ながら作ったのだけど、驚くほど簡単に、しかもおいしく作れた。アクアパッツァが何か未だによく分かっていないが、それでも作れる。すごい。