一般ゲイ しらうおのなんでもない日々

しらうお どこにでもいる30代 LGBTのG

恋愛下手なゲイの話

恋愛について語ってみたい。

とは言っても、先に断っておくと、ぼくは別に恋愛経験が豊富な訳でも、恋愛上手でもない。
むしろ、どちらかというと不得意な方だ。

 

「不得意」というのは、何もぼくの主観だけで言っている話ではない。(悲しいことに)ぼくの愛すべき友人達から、以下のような愛溢れる言葉を頂戴した末の結論だ。

「恋愛下手」
「小学生レベル」
「こじらせてる」
「恋愛がサンクチュアリ

おいおいおい。なんなんだ一体。君たちはぼくの恋愛の何を知っているって言うんだ。
そもそも「恋愛がサンクチュアリ」ってなんだよ。初めて聞いた上に、もはやけなされているかのかどうかすらもよく分からない。

でも、自分の悪いところをはっきりと指摘してくれる友達は大事な存在だ。これからも大切にしていきたい。それと、アドバイスはもう少しオブラートに包んでくれるよう、要望することも視野に入れていきたい。

 

だいたい、ゲイで恋愛上手な人は一体どこで学んできたんだろう。

ぼくはと言えば、ゲイと初めて出会ったのが21歳で、それまでは恋愛の経験も知識もほぼ0だ。21にもなって図体ばかり一人前にでかくなっても、恋愛スキルは赤ちゃん状態だった。
そのあと、ゲイと会うようになって人と付き合ったりもしたけど、30代になってようやく恋愛のいろはが分かったような分からないような…といった感じだ。

最近はSNSが普及したおかげか、学生同士で出会ったり付き合っているゲイを見かけたりする。正直うらやましいとも思うし、その反面いい時代になったなとも思う。
きっと彼らは、アラサーになってまで「恋愛が小学生レベル」なんて言葉を浴びることもなく、健やかに生きていくのだろう。

 

 

今ぼくには彼氏がいる。が、彼氏ができるまでの数年、ぼくの恋愛はあまりうまくいっていなかった。

出会いはあった。すてきだと思う人との出会いもあった。なんならちょっといい感じの雰囲気になることもあった。でも、最終的にはうまくいかなかった。

そこでぼくは作戦を考えた。
うーん、これはあれだ。少しばかりサンクチュアリなぼくの恋愛観を、見直す必要がある。
よし、そうだ!

 


恋愛のハウツー本を読もう

 

 

 

 

 

今、「陰キャ乙」と思った人はここから先は読まなくていいし、タンスの角に小指をぶつければいい。

一応ことわっておくが、ぼくは陰キャじゃない。ちょっと陰キャ寄りの普通の人だ。

 

そもそも恋愛のハウツー本を読むことが、「ちょっとダサいこと」として位置づけられていることにぼくは正直納得いかない。

考えてみてほしい。
例えばあなたに恋愛の悩み事があって、恋愛上手の信頼できる友達に相談したとする。その友達が真剣に考えてアドバイスをくれたとして、それをダサいことだと思うだろうか。なんなら、ちょっといい話に分類されるんじゃないかと思う。

恋愛のハウツー本を読むのもこれと同じだ。恋愛経験豊富な人が、自分のノウハウを凝縮して1冊の本を作り上げる。言わば本はその人の分身だ。そして少しばかり未熟なぼくがその本からアドバイスをもらう。
現状自分が未熟なのはもう仕方がない。その現状を受け入れて、その上で状況を打開しようと一歩踏み出すその行動が悪いはずがない。

だからぼくはダサくもないし、陰キャでもない。いいね?

 

 

そんなこんなで何冊かその手の本を読んでみた。

読んでみた正直な感想としては、まず意外と面白かった。そしてやはり勉強になる。当たり前だが、自分には無い考えを多く学べた。

もちろん賛成できない意見もあったし、自分には合わないなと思う話もあったけど、なるほど!と目からうろこの話もたくさんあった。

この手の話は全てそうだと思うが、全てをうのみにしてもいいことはない。ありきたりな言葉で言えば、正解のない問題だ。
自分の中で納得できた話や、自分に合っていると思う話を参考にすればいい。大事なことは自分で考えて選ぶことだと思う。試してみて違うと思えばまたその時考えてみればいい。

 

1冊自分が読んで面白かった本を紹介したい。

運命の恋をかなえるスタンダール

運命の恋をかなえるスタンダール

 

「運命の恋をかなえるスタンダール

「夢をかなえるゾウ」で有名な水野敬也さんの本だ。

この本は、恋愛のハウツー本とうたいながら、物語形式で話が進むのでとても読みやすい。それに単純にストーリーも楽しめた。
本作では、ゾウの代わりに恋愛のスペシャリストとして、19世紀のフランスの文豪であるスタンダールというおっさんが出てくる。ちなみにかなりうさんくさい。

ノウハウを教えてもらう主人公は30代の女性だ。この女性、過去にあった事件の影響で非常に暗く、全く恋愛経験もない。その女性がある日恋に落ちて、今までの自分から変わりたいと強く願う。その結果、突如現れたうさんくさいおっさんの恋愛指南を受けることとなる。

この暗い女性がイメチェンしていくのだが、その過程に勇気がもらえる。そして変わっていく女性自身も、それを取り巻く周囲の変化も面白い。

何よりぼくがこの本で面白いと思ったのが、人が恋に落ちる仕組みを分かりやすく教えてくれる点だ。
ぼくも今までの経験で、なんとなくこういう時に相手を好きになるなー、という漠然としたイメージはあった。この本を読んで、そのふわふわしたイメージを具体的に理解できたように思う。

恋愛に悩んでる人も、別に悩んでいない人も興味があったら読んでみてほしい。


ちなみに、本を選ぶ上でどちらの性別向けの本を読むか少し迷った。相手はゲイなので男性だし、もちろんぼくも男だ。でも恋愛対象が男の本となると女性向けの本になってしまう。

何冊か読んだ自分の結論としては、どちらも参考になった。何であろうと、突き詰めれば相手も自分も人間だ。当然人によって性格は違うし、効果的な手法やアプローチも変わる。男女にとらわれず、色々な考えを知ることに損は無いと思った。

 

 

ということで、本を読んだ甲斐があったかどうかは分からないが、その後ぼくには相方ができた。未来のことは分からないけど、今のところ順調だ。

恋愛ハウツー本の話などしたが、結局のところは得た知識をどう使うかなのだと思う。本にはヒントはたくさん書いてあっても、絶対の正解は無い。最終的には自分で考えて何を選ぶか決める必要がある。

恋愛下手のぼくは自分のことばかり考えてしまうから、相手の気持ちを考えることも忘れないようにしたい。

 

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きれいな空を見ると写真を撮りたくなるけど、全然上手く撮れない。

カメラに手を出してみたいけど、どんなのがいいんだろう。