メタモルフォーゼの縁側を読んで
雨模様の日が増えてきた。じめじめした空気はちょっと嫌だけど、気温が高くなってきたのはうれしい。夏が一番好きだ。
ときどきマンガの紹介をしていこうと思う。
ぼくは趣味と聞かれて一番に出てくるのがマンガだ。
今回紹介したいのは
「メタモルフォーゼの縁側」
というマンガだ。
この記事を書くまで、勝手にこのマンガはマイナーな部類だと思っていたのだが、全然そうではないらしい。
https://promo.kadokawa.co.jp/engawa/
上記サイトを見る限り、マンガ大賞やこのマンガがすごい等、既にいろんな場所で取り上げられている。
正直、「マンガ好きを名乗る以上、少しニッチな作品を紹介して、『知っている人』感を出したいな」などとしょうもない下心があったのだけど、結果己の無知と器の小ささを思い知るだけだった。恥ずかしい。
当初の思惑とはちょっと違うが、このマンガを紹介していきたい。このマンガが好きで、誰かに紹介したいと思っていたことには変わりない。
タイトルを聞いたぼくの第一印象は「なんじゃそりゃ」だった。
何のマンガか全く想像がつかない。少なくとも、ぼくの頭の中では「メタモルフォーゼ」と「縁側」を同じ文脈で使うシチュエーションが思いつかない。
それでどんな内容かと言うと、簡単に言えば「おばあちゃんと高校生の女の子がBLマンガを通じて交流していくお話」だ。
内容を聞いても「なんじゃそりゃ」って感じだ。
このマンガは、熱いバトルが繰り広げられる訳でも、伏線が張り巡らされてどんでん返しがある訳でも、情熱的な恋模様が描かれている訳でもない。
ぼくがこのマンガで好きなのは「空気感」だ。
このマンガを読むと、なんというかホッとした気持ちになる。
■簡単なあらすじ
75歳のおばあちゃんがたまたま立ち寄った本屋さんで、 1冊のコミックを手に取る。きれいな表紙にみとれて購入するが、中身は高校生同士の恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)だった。続きが気になり再度本屋さんを訪れるが、そこでアルバイトをしていた高校生の女の子と知り合い、以降BLマンガを通じて交流していく。
■登場人物
・市野井 雪(いちのい ゆき)
夫に先立たれて2年、一人暮らしのおばあちゃん。たまたま立ち寄った書店でBL本を手にする。75歳。
・佐山 うらら(さやま うらら)
書店でアルバイトをしている女子高生。元々BLが好きだが趣味を共有できる友達が作れずにいる。17歳。
このマンガ、取り扱っている題材は、かなり「なんじゃそりゃ」な内容だが、描かれている話からは、生活のにおいがすぐそこからしてきそうな雰囲気がする。2人の日常が描かれているのだが、読んでいると「マンガの中で人が生きている」という感じがする。
当然のことながら、ぼくは17歳のJKでもなければ75歳のおばあちゃんでもないけれど、なんだか2人の生活を身近に感じてしまう。なんというか2人とも妙に人間くさいのだ。
ペットボトルの口って飲みづらくない?とか。冷蔵庫の煮物をつまみ食いした手を服でふいちゃうとか。え?それってわざわざマンガで描く必要ある??みたいな描写がそこかしこにちりばめられている。でもきっとそれがあるから、親近感のような温かみのようなものを感じるのだと思う。
そうやって、ぼくたちの日々の生活と同じように、良いことも、嫌なことも、なんでもないことも、全部合わせて2人の日常として描かれている。
そんなどこにでもあるような日常の中で、読んで、語り合って、時にはイベントに出かけて、、、好きなもの(BL)に浸っているときの2人は本当に楽しそうだ。
この2人を見ていると、ホッとするようなあたたかい気持ちになる。
日常でちょっと嫌なことがあっても生活は続く。でも、そんなことがあっても好きなことしている時間は楽しいし、仲間がいればもっと楽しい。
ぼくのへたくそな文章ではなかなか良さが伝わらないと思う。
このマンガ、webで連載しているらしい。調べてみたら以下のサイトで1~3話まで読めるようだ。(以降は単行本を買ってねという感じみたいだ。)
https://comic.webnewtype.com/contents/engawa/
良かったら雰囲気に触れてみてほしい。
ランチョンマットなるものを購入した。
適当に食べ物の写真を撮っても、ちょっとそれっぽくなるという効果が得られた。
ちなみにこれは、温めた冷凍焼きおにぎりにお吸い物の素を振りかけて、お湯をそそいだもの。(前にTwitterで見てやりたかったやつ)
手軽だしおいしかった。